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ガリラヤ地方のナザレという村で、天使ガブリエルがマリアという若い娘のもとに
現れた。マリアは、ダビデ王の一族に連なるヨセフと結婚を約束していた。


「主があなたとともにおられる!」とガブリエルはいった。「あなたは女のなか
で、もっとも祝福された人である!」


マリアは天使のあいさつにとまどい、なぜこの天使が彼女のもとにやって来たの
かと首をかしげた。「マリアよ、恐れる事はない」とカブリエルはマリアを安心
させた。「神はひとりの子、男の子の母として、あなたを選ばれた。その子は
イエスと呼ばれるだろう。その子は偉大な人となり、その王国は終わる事がない」


「どうして、そのようなことがありえましょう」とマリアはいった。「わたしはまだ
娘で、結婚もしていませんのに」


「聖霊があなたに降り、神の恵みがあなたとともにあるだろう。あなたの息子は
、神の子として知られるようになるからだ」


そのことばを聞いて、マリアはガブリエルの前にひざまずき、頭を垂れて答えた。
「わたしは神のご意思に従います。何なりと、お望みどおり、この身になります
ように」


彼女が顔をあげると、天使はすでに去っていた。
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